続投の意向を繰り返し表明する石破茂首相
石破総理の続投は「狭き道」
2025年8月22日

 自民党内で7月の参院選敗北の責任を問う声が強まる中、石破茂首相は続投の意向を繰り返し表明し、粘り腰を発揮している。9月中の臨時総裁選は避けられない状況だが、退陣するにしても「首相は『石破おろし』に一矢報いようとするのではないか」(同党幹部)との見方は消えていない。首相の総裁任期はまだ2年ある。党則上、党所属国会議員と都道府県代表の過半数が要求すれば総裁選を実施できるが、党を挙げて総裁を引きずり下ろす形になり、前例はない。8月の両院議員総会で対応を委ねられた逢沢一郎・総裁選挙管理委員長は「参院選の総括がすまないのに総裁選の手続きを進める訳にはいかない」と慎重にことを運ぶ考えを示した。最近の報道各社の世論調査で内閣支持率は上向いており、強引な「総裁リコール」はかえって世論の反発を招きかねないからだ。
 総裁選管理委は8月19日の会合で、9月初旬にも書面で賛否の意思確認をすることを決めた。首相はどう出るか。閣僚経験者は「内閣支持率がこのまま回復したら、臨時総裁選に立候補して再選を目指す手はある。勝てる保証はないが、風向きが変わる可能性はゼロではない」と語る。首相に近い赤澤亮正・経済再生担当相は「もう1回出たいとおっしゃるなら応援をしたい」と明言している。逆に外堀を埋められて総裁選前に退陣する場合には「首相は旧安倍派としがらみのない総裁候補の支援に回るのではないか。昨年の衆院選から続く自民党の不振はそもそも裏金事件が発端なんだから」(与党幹部)との観測が出ている。首相の続投が狭き道であることは変わらないが、党内の反石破派も決め手を欠いている。

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