![]() 6月18日、JR西日本の会長に就任した長谷川一明氏 |
パワハラ認定を1年間隠蔽した
「JR西日本・長谷川一明」 2025年6月23日 2005年に乗客106人が死亡したJR福知山線脱線事故を起こしたJR西日本だが、事故から20年たったいま、不祥事が立て続けに起きている。20年3月にはグループ社員が車内清掃中に発見した遺失物の硬貨を着服。23年1月には大雪の影響でポイント装置が停止。乗客が電車に最長10時間近く閉じ込められた。さらに23年9〜10月にはJR西日本の車掌が社員用施設と特急列車「はるか」車内に盗撮用カメラを設置。盗撮していたとして警察に逮捕された。24年3月には、JR西日本から第三セクター「ハピラインふくい」に出向していた30代社員が福井駅の売上金の一部、505万円を着服。24年6月には京都線で11日夕方から12日朝にかけて信号機のトラブルが相次ぎ、約22万人に影響が出た。そして、25年4月10日には40代の運転士が必要とされる眼鏡をかけずに新快速電車を運転。また、23年1月のポイント装置の停止問題では、当時の副社長で鉄道本部長の中村圭二郎氏が社内会議で幹部社員に激しい叱責をしたと複数の社員が証言。24年1月に内部通報があり調査委員会を設置した。調査委員会は叱責の一部をパワーハラスメントと認定。社員は「JR西日本は昔に戻ったと感じた」と話している。そして、24年6月の株主総会で中村副社長は退任した。しかし、この事実、第三者評価のパワハラ認定をJR西日本は今年6月5日まで1年間、明らかにしなかった。加えて、社員を萎縮させる長谷川一明社長(当時)の発言があったこともわかり、長谷川社長は「大変申し訳なく思っています」と今年6月13日に発言したが、不祥事の責任を取ることもなく、長谷川氏は6月18日の株主総会で会長に就任した。こんな体質では再び大事故が起きる可能性がある。 |